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「新生『スポニチ』に期待の巻」

 9月9日(土)の『スポニチ』競馬面に、

「きょうから中山全出走表に厩舎情報」

という見出しがある。

 「厩舎情報を組み込んだ新出走表」

に変更されるという。

 おや?

 今までだって、厩舎情報は載っていたじゃないか。

 それを出走表に組み込むことが、そんなに大きなことなのか。

 しばし考えて、

「ああ、やっと十字架を外したのだろう」

と気がついた。

 

 1997年4月16日、同紙には、こんな「お詫び記事」が載った。

 「……競馬面に掲載していた関係者のコメント記事(厩舎ナマ録)について、産経新聞社から同社発行の競馬エイト紙のコメントと酷似している、との指摘を受けました」

  

 調査の結果、96年10月26日〜97年3月30日まで、競馬エイトの承諾なしに転用していた。

 たとえば、3月22日の「若葉S」。

  ●サニーブライアン

 「けいこの動きもいいし、体調は明らかにアップ。皐月賞に向け、いい競馬を期待したい」(エイト)

 「稽古の動きも良く、体調は明らかにアップ。皐月賞にむけいい競馬を」(スポニチ)

 ●シルクライトニング

 「オープン挑戦になるが、それほど差はないと見ている」(エイト)

 「オープン挑戦になるが、それほど差はない」(スポニチ)

 この転用事件発覚により、当時、TBS『ブロードキャスター』の競馬コーナーでイレギュラー出演していた『スポニチ』の大隈記者が降板し、某競馬テレビでも出演予定だったスポニチ記者が辞退を申し出た。

 とは言うものの、厩舎取材は、「共同取材」があったり、「代表取材」があったりするのは日常化していること。

 どの新聞社もコメントに大きな違いはないだろう。

 まして、エイトの記者の「考え方」を転用したのではなく、関係者の「コメント」だけなのだ。

 そんなに大げさなことでもないのに……と、わたしは思っていた。

 べつに法律に違反するほどでもないし。

 ここまで酷似していると、転用するテクニックに欠けていたことは確かだろう。その点においては、『スポニチ』の経験不足であったが。

 つまり、『スポニチ』は、報道に携わる者としての道義的責任をとったわけだ。

 あれから10年近くにもわたって、その戒めを背負ってきた。

 昨今、ミスを犯すと言い訳ばかりに終始して、「正しい謝り方」をできずに抹殺される企業が多いなか、この潔さは評価できるのではないか。

 だからこそ、今回の「新出走表」は大きな意味を持つ。

 願わくば、「的中率アップ」することで、忌まわしい過去を消し去っていただきたい。

 期待します。

 

 カーカーカー。

 「そんな大げさなことでもないのに」

なんて思ったわたしが、もっとも反省しなければいけないんだよな。

 

  

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