３月２７日（土）。いつもなら早めに仕事を切り上げて、スーパー丸正で缶チューハイ、ピンク色が毒々しい酢ダコ。ケータイはＯＦＦ、風呂で穢れを落とし、ゆっくりと「亀田ｖｓポンサクレック」のタイトルマッチをＴＶ観戦するところ、あいにく取材が入ってしまったのだ。

　１３時５０分発「のぞみ」に乗って、新大阪１６時２６分着。ＪＲ大阪から梅田へ、やや迷子になりつつ、お初天神と御堂筋を挟んで反対側にある「大阪駅前第３ビル」の１７階会議室、１７時３０分到着。１８時、大穴馬券師の講習会に参加。約５０人の聴衆。明日の高松宮記念予想を含め、２時間、一心不乱にペンを走らせたのだった。

　では、ここで、大阪・御堂筋といえば、コレ。

　欧陽菲菲の「雨の御堂筋」をどうぞ、とは思うものの、あまりにもベタ。

　欧陽菲菲つながりで、丹下に「この歌は、もう栗ちゃんのもの」と初めてお誉めいただいた、この歌で行ってみよう！ 

 　http://www.youtube.com/watch?v=T8XFg24EYfI&feature=related

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　じつはこの後が、本格的な取材。

　大穴馬券師に連れられ、徒歩５分。その弟子７人と大阪マルビル３階、和風居酒屋「豆助」。

　１０人の卓に向こう５人、こちら５人の向かい合わせ。

　他の客がざわめく中、このうち６人を一人一人インタビューするという荒技に出た。

　編集者のＨ氏とふたり、手分けして３人ずつ、ひとり２０〜３０分。

　「ハイ、次の方どうぞ」、診療所よろしく、端っこに座った我われの隣に一人ずつ呼び寄せて、テープを回すのだ。

　その間、向こうでは本日の釣果で盛り上がっている。

　我われは、話の間にビールでノドを潤すだけ。結局、終了後のお握り一個しか口にすることはできなかった。

　しかし、その中のひとり、御年７３歳、京都のＫさん。コダマがダービーを勝った１９６０年、２３歳から馬券を初めて５０余年、完璧に負け続けてきた。年間３００万は負けたというから、１億５０００万円以上の負け。とてもギャンブラーには見えない優しい顔だが、その間、美容師の嫁に食わせてもらっていた“髪結いの亭主”。

　そのご老人が、大穴馬券師に師事したとたん、２月１４日京都１０Ｒ「飛鳥Ｓ」の３連単２４０万馬券、返す刀で２月２８日中山１２Ｒの３連単２６万馬券をヒット。

　「私の競馬人生、これでうっちゃれるんとちゃいますか？」。

　ボクは、ちょっと涙、ほとほと感動した。久しぶりに取材対象者に惚れてしまったのだ。

　いい原稿が書けそうだ、Ｈ氏とふたり、みんなと別れてから、曾根崎の居酒屋、ラーメン屋とハシゴ、タクシーに乗って都島の「ホテルユーナス」にチェックインしたのが２４時４０分。

　じつはこの日、東京では「新宿バルト９」で丹下、こちら「梅田ブルク７」ではグリーンチャンネルのキャスター吉本靖さんによるドバイのパブリックビューイング。

　まんざら知らない仲ではない、リポビタンＤでも手土産に突っ込んでやろうと画策していたが、「入場予定枚数は終了となりました」。

　亀田も見られず、ドバイも見られず、貧乏人は仕事だけかい！

　不貞寝しようと６０３号室のＴＶを点けると、あにはからんや、関西では「サタうま！」なる競馬番組をやってるんですね。

　砂漠で疲れ果て、とうとう見つけたオアシス。

　六車奈々さんの笑顔に癒され、通常ゲストで今日はドバイに飛んでいた「競馬エイト」川田重幸さんは、かつてボクが『ギャロップ』で連載中にお世話になったし、この日のゲスト「競馬エイト」門口博光さんは、台本を書いていたグリーンチャンネル「明日のレース分析」に何度が出演してくれた。

　おお、お懐かしゅうございます、お二方ともお元気でごじゃりましたか、寒々としたシングルルームでＴＶに呼びかけ、ブエナビスタの２着を観戦したのだ。

　直後、モンキー佐藤から、「あの白い馬が邪魔だったですね！」というメールあり。

　さあ、次は真打ち、レッドディザイアの登場だ、と思った矢先に番組終了。

　残念無念、やはり、この日の天秤座は見放されていたのだろう。

　ちっさいバスルームで、ちっさく丸まってシャワーを浴び、ホッとひと息ついてから、ＺＺＺ。

　翌朝、１１時にチェックアウトして、駅弁とビールを買って、そのまま帰京という、

　まるで高度経済成長期のサラリーマンか、オレは！ 　 （ホテルユーナスで観た「サタうま！」の画面） 

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