丹下倶楽部

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献杯

 週明けの月曜日。自宅近くの、多磨霊園の吉田善哉さんのお墓に線香をあげたあと、作家の吉川良さん。日刊競馬の柏木さん。ヤマトさんと、三軒茶屋で待ち合わせ。赤坂のショーパブ“TOKIO”の、ショーちゃんの墓参り。

 死ぬ四日前の土曜日に、ショーちゃんと電話がつながったが、
 「点滴だけの日が、もう2週間も続いているのよ。丹下ちゃん、ワタシもうダメみたい。でもさ、競馬が当たれば、また一週間生きていけるかも。で、今日のメインは、何がおすすめなの?」と、病床で語っていたのを思い出す。

 芸と馬券に真正面から向き合った、壮絶なボードビリアンだった。

 息子のケンちゃんも交え、墓の前の芝生にシートを広げ、ビールで献杯。

 二次会は市ヶ谷。このメンバーがそろうと、なんだか話したいことがいっぱいあるような気がして、じゃあねと別れるのが名残惜しい。

 荻原浩の“コールドゲーム”、“さよならバースデイ”。目黒の“花家”の大将から借りた“ゴッドファーザー”を読む。

 ゴッドファーザーのパート1が公開されたのは、確か中学校3年ぐらいだったか。

 片道2時間かけて、下関までロードショーを見に行こうと何度か誘われたが、結局観ず終い。

 その頃、ガールフレンドと観たのは、ある愛の詩、エクソシスト、フーテンの寅さん。軟弱な田舎もんです(笑)。

 この夏、CSでゴッドファーザー特集をやっていて、パート2・パート3も、ぜひ観なくっちゃと思っていたのだが、3篇とも何故か途中で居眠り。

 テレビで放映されたときも、何度かチャレンジしたのだが、どのシリーズもキチンと見終えていない。

 本を読んで、ああ。あの場面は、そういう意味があったのかと、少し納得。DVDでも買って、今一度チャレンジすることにしよう。

 しかし、フランシス・コッポラと、あのジョージ・ルーカスが、この映画というか。若い時代は一緒に仕事をしていたという。

 アル・パチーノもロバート・デ・ニーロも、みんなみんな、売れない、若い時分から、多くの接点があったんだなぁ。

 しかも、多くの役者が、演技だけでなく、台本にもかかわっていることが多く(みんなその気になれば台本を書けるらしい)、土台というか。俳優として骨組みの大きさにも驚く。

 シルベスター・スタローンもニコラス・ケイジも渡辺謙も(そう、荻原浩の小説だった)、自分で台本を持ち込んで映画化して今日がある。

 赤坂の“TOKIO”のケンちゃんに今度会ったら、キミもそうしたまえと、知ったかぶりして、セッキョーしてやろう(笑)。

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