勝ち負け
今週から新馬戦が始まる。
トレセンの2歳調教データも、一週ごとに厚くなり、開幕週の新馬戦に、もう何頭か、北海道で取材した馬たちの名前も見える。
もちろん、ワタシの指名馬も、名を連ねていたりするが、牧場の育成者も、いろいろと思いを凝らす週だろう。
しかし、ダービーが終われば、競馬の意識も遠のく。
加えて、ジリジリとしたこの不況。
ひと昔前は、新馬戦なんて、2歳馬なんて。馬券としても難しいし、しょせん初心者や子どもの遊びだよ。
そんなふうに言を放つ人も多かったけれど、昔は2歳戦などセールしなくても、勝手に馬券は売れたが、不況下の夏は重たい。
「今の競馬界。もし2歳ブームがなかったらと——そう思うと、ぞっとするよ」と、あるサークル関係者は言ったが、「新馬戦なんて」とうそぶいた人の姿も、いつの間にか競馬場を遠ざかってしまった。
元々馬券を買うという行為は、どんな形であれ、動機付けが必要だが、今時の競馬はさらにそれが求められる。
馬券の売り上げ云々は、簡単なことだが、「当たる」こと。
当たりは、ごくごく普通に次への投資となる。
3連単やWIN5がもてはやされ、新馬券はまだこんなにあるというけれど、本当にみんな、的中馬券をもっているのか?儲かっているのか?そもそも投資はあるのか?
だからといって、複勝やワイドを買えと言っているのではない(3連単に血道をあげるのと同じように、どこか違う?)。
買いたいという馬にこだわって、普通に馬連、ちょっと頑張って馬単。時に単勝で、いいんじゃないのかなぁ。
単純なことだが、売上を増やすヒントというか。チカラを入れるべきは、当たりやすい馬券の“セールス”に他ならない。
4兆円を売り上げたときのコンテンツは、何だったか。
1億円や100万馬券をアオる声は、実は危ない。
そうだ、先週。中舘騎手が、新潟競馬場で何かのインタビューに答えて、
「失敗した数のほうが断然多い」というコメントを耳にしたが、その謙虚さが、なんだか泣けてくる。