「全国の悩める長兄長姉のために、の巻」
ボクは、とうとう愚弟愚妹にハッキリと言ってやった。
3連休の最終日、法事があったから久しぶりに兄弟5人で食事をした。ボク、妹、長弟、義妹、末弟である。場所は、京橋の「美々卯」。我われ兄弟は、ここの「うどんすき」が好きなのである。
さて、ボクは一番上だから、親も同然だ。
長弟の食べ方が汚かったから、「外の人と食べる時は、そんな汚い食べ方をするな」と叱ったら、何が腹の虫に触ったのか、「オレにはオレの食べ方がある」と言う。ま、兄に甘えているのだなと思い、怒りを抑えた。
末弟が何もしゃべらずに黙々と食べているから、「もう少し会話に参加したらどうか」と叱ったら、キッとボクを睨んで、「何も話すことはない」と言う。久々に会ったから照れくさいのだろうと思い、それ以上は言わなかった。
しかし、考えてみても欲しい。その時、妹は「お兄ちゃんが、そう言ってんだから、ちゃんと聞きなさいよ」と弟二人を叱るべきではないだろうか。妹も、私は関係ないという顔で黙っているのだ。
では、ここで……と書くと、丹下の頭には「兄弟船」とか「兄弟仁義」が浮かぶだろうが、それではベタすぎる。ということで、今回は、この仲良し姉妹をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=xiJonrrdXtQ
つまり、このようなやりとりがあったわけだが、なぜ、ボクが弟妹に気を遣わなければならないのだ。なぜ、こんなギスギスした関係になってしまったのか。メシが不味くなってきた。そこで、ハッキリ言ってやったのだ。
「オレは、もう、お前たちの兄でありたくない! 何だ、親切に教えてやれば、反抗ばかりしやがって! 今日を境に、兄弟を入れ替える。年収別に順番を決定する!」
いまのボクは、おそらく、弟妹より年収が低い。だから、オレが末弟になる。それくらいの覚悟で言ってやった。
「競馬の世界は、実力が物を言う。長兄だから偉いのではなく、稼いだ馬が、その兄弟を代表するのだ」
たしかに、末弟から「何で、オレ達を馬と一緒にするんだよ」という反論はあったものの、いったん口にした以上、ボクも後には引けない。この「兄弟変動制」の導入について口角泡を飛ばして説き伏せ、妹→末弟→長弟(義妹)→ボク、という順番に決定した。
つまり、今日からボクは、叱られることもあるが、彼らに面倒をみてもらえるし、甘えることもできるのだ。気兼ねなく、「ご飯に連れてって」と言えるのである。もちろん、来年になれば、どういう順番になるかは分からない。が、最低でも向こう3年くらいは、ボクが一番上になることはないだろう。
彼らより早く生まれただけで、何事も優位でなければならないというプレッシャーは、もう嫌だ。この「兄弟変動制」は、全国の悩める長兄長姉のための大改革案になるかも知れないのだ。