「ディープ引退の裏読みの巻」
ディープインパクトの引退報道が出たのが、10月12日。
武豊騎手も言っていたけど、馬主さんの決めることだから、仕方ない。
で、今年のこれまでを整理してみると。
●5月。
金子オーナー所有のユートピアが、モハメド殿下率いる「ゴドルフィン」に、約4億6000万円で移籍した。
日本馬が現役のまま海外に移籍することは、異例。
同じ金子オーナーのディープインパクトが夏以降の海外遠征を示唆しており、「外国に行ったら、サポート頼むね」という意味での「お土産」と噂された。
また、すでにモハメド殿下はディープ取得を目標にしており、「その手付金」という意味で、ユートピアを高く買い取ったという話もあった。
●7月。
中央競馬の馬主審査委員会において、モハメド殿下が出資する「ダーレージャパン」の、JRA参入が却下された。
ダーレーは北海道で生産や育成も行っており、03年には公営船橋で馬主資格を取得して、中央競馬進出を目指していた。
だが、「財務状況が基準を満たしていない」という理由で、外されたわけだ。
昨年にも登録申請を行ったが、ドバイ資本の参入に危惧を抱く生産界の反発を受け、このときは申請を取り下げたという経緯がある。
その頃、それだけの組織が
「財務基準を知らなかったはずはない。知っていたら、登録申請するはずはない。べつの意図が働いていたのではないか」
と噂された。
●9月。
「ダーレージャパン」は、上記の馬主登録却下に対して、異議を申し立てた。
詳細は省くが、要するに「基準は満たしているから、却下はおかしいじゃないか」ということだ。
つまり、JRA参入は喉から手が出るほどに欲しい資格なのであろう。
異議申し立てが認められなければ、訴訟も辞さない構えだそうで、現在JRAの対応が注目されている。
●10月。
ディープインパクトが凱旋門賞で、3着に負けた。
●10月。
「ディープインパクトの来春の種牡馬入り」が発表された。
水面下では「ゴドルフィン」をはじめとする国内外での争奪戦が繰り広げられていて、結果的に51億円で「社台スタリオンステーション」が獲得した。
「日本の生産者サイドとしては、これだけの名馬が海外に流出することは、何としても避けなければならない事態です」(『日刊スポーツ』奥野庸介氏)
というから、最悪の事態は避けられたわけだ。
いっぽう、モハメド殿下は、なぜ簡単にあきらめてしまったのか。
凱旋門賞に勝っていたら100億円を提示するのではないか、とも噂されていた馬である。
凱旋門賞の内容が、購買意欲を減退させたのか。
価値が下がったとしても、「買わない」というほどでもないだろうに。
毎日新聞・牧太郎さんのブログによると、
「実は、凱旋門賞の前後に海外からもオファーがあった。噂では、王様が提示した金額は50億円。で、社台はこれに1億円上乗せした、というのが真相らしい」。
購買意欲はあったのである。
モハメド殿下の資金力なら、「じゃあ、こっちは3億円上乗せするよ」くらいは言えるはずではないか。
それをせず、ディープを社台に譲った。
つまり、「モハメド殿下は、日本に貸しを作った」のではないだろうか。
何故?
そこで我然、浮上してくるのが「馬主登録」の一件である。
モハメド殿下は、ディープインパクト購入を、「JRA参入」のための駆け引きに使ったのではないだろうか。
カーカーカー。
近いうちに、JRAは「ダーレージャパン」の馬主登録を認める発表をすると思うよ、きっと。
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