「果たして6番枠が勝てるのか、の巻」
ただ今、5月13日の夜。
明日の「ヴィクトリアマイル」の検討をしているところ。
新聞を見て誰もがビックリしたことだろう。
「これじゃ、先週のNHKマイルCと同じじゃないか」
確かに、人気馬2頭が最内と大外。
ダンスインザムードはマイネルスケルツィ、エアメサイアはフサイチリシャールに相当する。
すると、この2頭は馬券にならない。
勝つのは、ロジックと同じ6番枠に入ったラインクラフトで、
2着はファイングレインと同じ2番枠に入ったマイネサマンサだ。
ここも、先行馬が2番枠になったということで一致。
3着はキンシャサノキセキと同じ15番枠のデアリングハート。
さもありなん、という枠順ではないか。
こんなことを真面目な顔をして言うと、素人の浅読みと笑われそうだが、ふと十数年前を思い出してしまうのだ。
その頃、わたしはペーペーの編集者で、競馬自体をほとんど知らなかった。
転職先の出版社で最初に任された単行本が、今や「競馬番組表理論」で一世を風靡している片岡勁太氏の『恐るべき競馬の本』。
今思うと、競馬初心者としては、かなりヘビーなところから入ったものだ。
要するに、JRAの意図を読み取る馬券術であるのだ。
その片岡さんに教えられたものの一つが、当時の制度にあった「単枠指定」の話。
「単枠指定は、18頭立てとすると、2番枠と17番枠になることはない。
なぜなら、そこを単枠指定にしてしまうと、1番枠と18番枠も単枠になってしまうからね。
つまり、枠順の確定には、かなり意図的なものを感じている」
なるほど。
片岡さんは競馬だけでなく、さまざまな物事についての斬り方がおもしろく、エッセイでも書いてほしいと思っていたほどだ。
政治の裏読みなんてしてもらったら、最高だろうな、と。
そんな風に感化されたものだから、今回の「ヴィクトリアマイル」の枠順をみて、片岡さんの話を思い出したのである。
偶然とはいえ、何か臭ってきませんか?
今の悪い馬場のインを突いたロジック武豊。
福永は、フサイチリシャールに乗って、ユタカの腕を羨んだことだろう。
そして今回、福永が同じ6番枠で腕を試されるわけだ。
ここは、一流ジョッキーへの試金石となるかもしれない。
明日が楽しみですね。
……カーカーカー。
今から、関西専門紙「競馬ファン」の日比野正吾TMと晩飯を食べに行ってきます。