「的中率70%以上の巻」
どうもよく分からない。
「馬連馬券の一日の利益率を5%前後で設定することにより、月間8日の開催日があるので、月間投資利回りを30%〜40%で考えることが出来るようになります。10万円の投資金額に対して、月に3万円〜4万円のお小遣いを生み出せれば、競馬は単なるギャンブルではなくて財テクとしても面白いものと思います」
などと謳って、一人当たり10万円からの投資を募り、元本に対して毎月5%の配当を支払うとしていた投資会社『東山倶楽部』が、出資法違反で家宅捜査を受けた。
よく分からないのは、これだけ情報が発達している今の時代に、この宣伝惹句を信じて全国5000人以上の人が応募していたという。それにより、約70億円を集めていた。
何でも、「ビクトリー方式」という解析法を開発して、的中率70%以上を誇っていたというのだ。
もっとも、数ヶ月前から配当が滞っていたが。
しかし、募集を募っていたのが2年前だから、1年数ヶ月は配当をしていたということか。
この「ビクトリー方式」なる解析法を、わたしも身につけたいものだ。
ということで、同社のホームページに行ってみた。
そこには、血統関係・個々の馬に関するデータ・厩舎関係・騎手・過去の実績に加え、四柱推命・出目、専門誌・スポーツ紙の情報といったものをホストコンピュータにごった煮にして解析するとある。
つまり、われわれファンが普通に入手できるデータである。
四柱推命には驚くが、これだけの労力を使って、1日の利益が5%というのは、やはり少ない感じがする。
だって、1日10万円つかって、70%以上の的中率で、儲けはたったの5000円だけってことでしょ。 投資家っていうのは、これでも大満足するのかなぁ。
以前、わたしも仕事で、「出目本(5万円!)」の広告文章を書いたことがあるが、書いていてどうも胡散臭いと思ったものだ。
「的中率」だけなら、複勝でもワイドでも、当たりは当たりなのだから、70%以上の的中率は簡単に出せることができる。
問題は、本当に回収しているかどうか。
でも、同社のホームページには、 「退会者が約3700名様となり、返還金額も膨大なものとなりましたので……」
との言い訳も書かれていた。
約5000人のうちの、3700人が退会。やはり、人は騙せないものですな。
カーカーカー。
いつの世にも、こういう詐欺があるから、人の世はおもしろいものだ。