一丁目の夕日
小学校5年から高校にかけて、夕方の6時から再放送される、30分番組のアニメやドラマに熱中していたことがある。
山口県の我が田舎は、日本海岸に面した半島のため、博多から玄海灘を渡って、直接テレビアンテナに、福岡の放送が飛び込んでくる。
従って、NHKの天気予報や地方ニュースは、福岡を中心に小倉などの九州が中心。他の民放も、KBC朝日に毎日放送(TBS)。ワタシたちが見たアニメの多くは、西日本テレビという、フジテレビ系列の地方局が放送したものだった。
日本テレビ?
うーん、ワタシの少年時代は、いわゆるU局でして、UHFのアンテナを、お金を払って屋根に設置しないと映らない。
当時は、村で一番金持ちだろう医者を中心に、3〜5軒くらいしか、アンテナをおっ立てている家はなかったっけ。
しかし、日本テレビといえば、巨人軍とプロレス(力道山だよ)。田舎人のプロレス好きは、三丁目の夕日の自動車修理工場の親父以上の熱中ぶりと双璧で、UHFのアンテナ代は高いけれど、なんとかしたい。
それが、長嶋の牽引による巨人軍のⅤ9。それと並行して、アニメで“巨人の星”が始まるや否や、少年たちも目の中に炎をメラメラさせながら、「飛馬と伴チュータと花形満と明子お姉ちゃんを見てぇ!」を親父に迫る。
じゃあ、しょうがあるめえということで、UHFのアンテナを据えるに至った経緯が、日本のあちこちで展開されたようだが、そう。日本テレビは、ジャイアンツと巨人の星を抜きには、今を語れないのだよ。
なんて、巨人の星は、再放送となると、なんか暑苦しい(笑)。むしろ、アルプスの少女ハイジ、アタック・ナンバー1に、ゲゲゲの鬼太郎。フランダースの犬、仮面の忍者赤影は、何度見ても楽しめたなぁ。
さきほど宮本昌孝サンの“風魔”を読み終えたばかりだが、仮面の忍者赤影では、風魔は悪の権化。
ちなみに赤影サンたちは飛騨忍者。伊賀は徳川家康に仕えた服部半蔵に、甲賀も徳川所属。上杉にはノキザル、真田は猿とび、伊達は黒なんちゃらがいたような気がするが、とにかくいつも、風魔は悪役だ。
たぶん、徳川に滅ぼされた北条の忍者で、渡来人が始祖ということもあるのだろうか。
なんて、2月11日は建国記念日。
子フグ1号は、センター試験で受けた、私立大学が二つ合格して、一日中猿踊り。
子フグ2号は、バレンタインに向け、何やら台所を粉だらけにして騒いでいる。
ふと空を見ると、鈍色の雲の隙間から、弱々しい夕日が、一丁目の我が家にさす。 平成の2月の夕日は、ああだったなと、いつか思い返す日がくるのだろうか。
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