ライター仕事をしていると不規則な生活が普通で、その日も深夜になって夕食をとりに、四谷・荒木町「秋田北秋田」という焼き鳥屋へ。
競馬好きの兄ちゃんと一杯呑んでいたら、
「ねぇ、トイレにこのチラシ貼らせてくれない?」
と、BAR「461」の奥さん。
「そっちのお客さんも、よかったら来て下さいね」
と誘われてしまった。
「大塚まさじ」
というシンガーの名前だけは知っていた。
お金を出してまで行くつもりはなかったが、
「これも縁だから、必ず来てよ」
と言われてしまえば仕方ない。
大塚まさじさんは、1971年に発表した「プカプカ」を唄ったバンド「デュランⅡ」のメンバー。
「♪おれのあの娘はタバコが好きで、いつもプカプカプカ〜」
と言えば、少なくとも丹下は知っているだろう。
10月21日。
お客さんは15人ほど。
ゆっくりとギター1本でのパフォーマンスを楽しむことができた。
いや、最近ではめったに遭遇できぬほどの、素晴らしいライヴであった。
ほのぼのとして、唄に心がこもっていて。
何より、詩を丁寧に扱った曲調が人柄を表している。
涙が出そうになっちゃった。
そんな心境だったかも知れないのだが、60〜70年代のリズムを色濃く残しており、わたしの音楽感にビシッと入り込んでくるのだ。
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