いろんなトリップ
トリップ完勝。2分1秒6は、一昨年の京都2歳Sのヴィクトワールピサと同タイムだった(良馬場だが、芝がボコボコ飛んでいた)。
丸々として、ポコンと膨らんだトモが実に印象的。クロフネ産駒にしては珍しく馬体も柔らかだ。
今の日本競馬の主流は、たぶんディープやブエナビスタのような、緊張感のあるトモや後肢なんだろうが、かといって、それを追い求めると、腰高で脚長の、筋っぽい馬を深追いしてしまう。
スーパースターに準ずる、それに近い馬というのは、やっぱどこかに気品や柔らか味がないと、それっきりで終わってしまう、将来がない馬になってしまうような気がする。
ま、欲を言えば、あと少しだけ、首が長く大きければとも思うが(2000mを超えて、さて)、暮れのラジオNIKKEI杯での、ディープブリランテとの対決やいかに。
「でも、去年のマーベラスカイザーも、2分1秒6なんですけどね。父はクロフネでしょう?ホントに強いのかな。ボクは、認めませんよ」
栗岩太郎に、認めるとか認められないとか。
酔眼で絡まれる、トリップがかわいそうだが(笑)、シンボリルドルフやディープインパクトのように、無敗の三冠馬なんて稀。
負けるゝと言い続けていれば、いつかは躓くのが競馬。
ただ、ひとつ教えてあげるけど、競馬というのは、けなすことから始めるのではなく、いいと思った馬から語り始めるほうが、健康にいいと思うよ。
さて、明日はジャパンC。
毎日新聞では、文字数が限られているが、予想記事の本体は、以下の通り。
【ジャパンC】
デインドリームは、イタリア、ドイツ、フランスを股にかけ、目下GⅠ3勝中の世界屈指の女傑。後続を5馬身とチギり捨てた、あの凱旋門賞のレコード勝ちは圧巻だった。
凱旋門3着のスノーフェアリーは、その後エリザベス女王杯を連覇。イン一気の爆発的な末脚は記憶に新たらしいが、デインドリームは、そのスノーフェアリーさえ子供扱い。
人気薄という気楽な立場もあったにしろ、道中は16頭立ての中団の内。牡馬の激しいプレッシャーにもどこ吹く風で折り合い、直線入り口では、先行勢の脚色や馬群がばらけるのを、ひと呼吸待つ余裕と瞬発力で、2分24秒4のレコード。
勝ち馬というのは、いつの時代も強く見えるものだが、デインドリームの瞬発力は、桁が一つ違う。
ちなみに従来の凱旋門のレコードホルダーは、種牡馬として日本にも輸入されたこともあるパントレセレブル。同2着のピルサドスキーは、BCターフ、JCで貫禄勝ちを果たしている。
旅装を解き、2週間にも満たない17日に、東京競馬場で8ハロン・107秒台の猛稽古を軽々と消化。世界を席巻した鋼の肉体と精神力を強烈にアピール。
スタンド前発走の13番枠だけが、少し気がかりだが、1〜コーナーを折り合ってすり抜ければ、自ずとJC制覇が見えてくる。
もちろん、時計勝負なら、トーセンジョーダンも負けてはいない。
前走の天皇賞は、1000m通過が56秒5という、結果、底力勝負に恵まれたとはいえ、従来の記録を1秒1短縮する1分56秒1のレコードには脱帽。
思えば、ジョーダンの能力の原点は、東京2500m・アルゼンチン共和国杯の2分30秒0。本来は2400mのミドルディスタンスでこその馬。
ただ、調整振りをみると、レコードの反動も、なんとか抑えられているように映るが、目に見えない蓄積疲労はないか。超Hペースゆえに、何頭かの“負け組”にも、巻き返し・前進の余地を内包している。
となると、ブエナビスタ。前回は、八分の造り。万全ではないゆえ、苦し紛れにインに潜り4着に沈んだものの、しかし、前走後は、先週に一杯、土曜日に6F追い。直前は単走でリズムを確かめるだけと、攻め馬過程も本調子を告げている。
木曜日計測の体重は462キロ。ギリギリに絞り込んだ。ひと叩きの上積みを考えれば、今度はトーセンとは五分以上。岩田も迷いなく、堂々外を振り回しても好勝負できる。
ブエナ以上に目を引いた負け組は、トゥザグローリー。久々、17番枠という不利な外枠から見せ場を作って5着。Hペースを早々に仕掛けて6着のエイシンフラッシュの内容も優秀だが、内外のロスを考えれば、トゥザを上位に取りたい。稽古でも僚友トーセンを連日アオっている。最速の上がりで3着突入のペルーサも、もちろん圏内。
ヴィクトワールピサも間に合った。ただ、東京よりは中山巧者。ある程度、使える脚の長さは決まっている。ガツンと一度でもハミを噛むと、さすがに終いまで息がもたないかもしれない。
◎デインドリーム
○ブエナビスタ
▲トーセンジョーダン
☆トゥザグローリー
△ペルーサ
ヴィクトワールピサ
エイシンフラッシュ
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