「決起集会の報告の巻」
ただいま、山田乗男さまよりご紹介にあがりました栗岩です。
その日は錦糸町で「決起集会」をやりました。
冒頭、店のバイト君が敷居につまづいてジュースをぶち撒き、管理人Hのズボンがびしょ濡れになりました。
彼は、「ちょっと失礼」と言ってズボンを脱ぎました。
上半身はビシッとしたシャツにネクタイにスーツの上着。
対して、下半身は柄パンに裸足。
こういうユニークな格好で、Hは乾杯の発声をしたわけです。
女性も参加しているというのに不潔さを感じさせないところが、彼の育ちの良さでしょう。
乾杯の後、ものの数秒で、丹下は「あわび、見っけ」と言って、電光石火の速さで箸を伸ばしました。
数少ないあわびを、一番の先輩格である丹下が食った。
しかも、あわびの肝さえも彼の胃袋に早々と納まりました。
みんな、あわびには気づいていたのですが、まさか肝が用意されているとは知らなかった。
私は見ていました。
乾杯前にあわただしくしているときに、丹下はそーっと、しその葉で隠していたのを。
数々の修羅場を生き抜くということは、こういうことを言うのでしょう。
北海道でのセールの話で盛り上がりました。
私は長年、競馬の仕事をしているのに、セレクトセールに行ったことがない。
まぁ、馬券オヤジ系ですので、あまり興味もないのですが、山田クンによると、「馬を見るより、人を見るのが醍醐味です」と聞かされました。
セレクトともなると、トップクラスが一堂に集まる。
ここで、どんな人間がどんな行動に出るのか。
この人間観察がおもしろいのですね。
ここで具体的な名前は出せませんが、馬主Aと馬主Bが競り合っている場合、ある調教師は一方に有利な情報を運んでいたり、ある調教師は双方の落としどころを提案したりする。
「好きな馬を買う」という純粋なことではないのですね。
ここでは、駆け引きに長けた馬主が勝ち、情報戦を制した馬主が勝つ、ということだそうです。じつにおもしろそうです。行ってみたくなりました。
丹下は酔うと、「風邪が吹けば桶屋が儲かる」的な会話になります。
簡単に言うと、「風が吹く」→「瓦が落ちたり、火事が延焼して死亡者が増える」→「よって棺桶を作る桶屋が儲かる」ということなのですが、丹下は、その真ん中の部分(因果関係)を話さないのですね。
つまり、聞いている私たちは「風が吹いて、どうして桶屋が儲かるの?」となる。
丹下自身の頭の中では一貫しているのでしょう。
私たちは、その行間を理解できないから、「そうですね」などと適当に流す。
すると、「本当に分かってんのかよ。じゃ、言ってみろよ」と突っかかってくるのです。
これは、丹下の癖といえます。
わたしは何回も酒席を共にしているので、そうだろうと思っています。
たとえば、丹下に「ゴーストライターって馬は、きっと儲からないと思うよ」と言われたとします。
何故? とは思うものの、プロの予想家が断言するのだから、素直に聞き入れようとすると、「お前、何故だか分かっているんだろうな」と叱られる。
で、「ほーら、栗ちゃん。何にも分かってない。ダッメだな〜。だって、ゴーストライターの仕事って儲からないんだもん。な〜んてね」と、こうです。
どこで笑っていいのか、タイミングが計れないのです。
そんなこんなで、初心者の人は、酔っ払った丹下には注意した方がいいでしょう。
宴会の最後にHが、今年の「事業計画」を、あの下半身パンツ姿で発表しました。
「丹下のブログを読んでいる女性ファンに集まってもらって、呑み会をやろう」ということでした。
カーカーカー。
とても有意義な「決起集会」でありました。
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