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「今村騎手、超難産の巻 第2回」

 たった1回で、好評連載となった「あのとき、丹下は?」の第2回は、1998年4月の第3週。4月13日(月)〜19日(日)までとなります。

 ●週半ばの15日に、「この秋から、木曜日に出馬投票が行われる」との発表があった。

 これまで、出走馬・除外馬の確定は金曜日に行われていたが、除外ラッシュの傾向にあり、その対策をとったのである。

 マスコミ側としても、これはありがたかった。

 当時、新聞社は、金曜日の朝に出走馬が確定するや、紙面を刷り始め、何とか昼前までに店頭に並べるという力仕事を強いられていたからだ。

 予想家もそうだ。

 丹下たちは、木曜日中に「想定された出走予定馬」で予想をしていた。

 ◎から順番に、1,2,3……と番号を振って、10頭前後は考えておかなければならない。

 翌朝、予想した馬に除外がいなければ、1が◎、2が○、3が▲、4が△1番手……とすんなりいく。

 しかし、1と3と5が除外になれば、2が◎、4が○、6が▲、7が△1番手……というように、順繰りに格上げしていく。

 こうして、◎から△3〜4頭までに収まることになる。

 ここで、問題が起きていた。

 単純に、上から順番に予想を繰り上げていいのか、という問題である。

 とくに、「展開重視」の予想家は悩んだ。

 1を「逃げ馬」とし、それが除外になったとする。

 2は、1が逃げるという前提に立っての2であるのだから、逃げ馬が除外になって、2を◎にすることはできない。

 金曜日の朝に、改めて、予想を組み直さなければいけないのだ。

 だが、そんな時間はない。

 かくして、二律背反に陥るのだ。

 そういうわけで、この「木曜日確定」は以前から望まれていた対策であった。

 これにより、その秋からは、格段と的中率は上がった(はず)。

 印刷所も、ゆっくりと仕事ができるようになった。

 めでたし、めでたし。

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 ……とはいかない。

 10年後の現在も、除外ラッシュは変わらないのだ。

 周知のように、除外目当ての登録もある。

 いずれ、追い切り前に確定させることになるかも知れないなぁ。

 ●18日(土)、阪神競馬3Rでリトルマーベルが勝ち、前年97年デビューの今村康成騎手が、待望の初勝利をあげた。

 136戦目のことである。

 それまでは、長峰騎手(当時)が99戦で初勝利を飾っているが、それを大きく上回る「超難産」であった。

 今村騎手のコメント「直線はいつ後続に追いつかれるかだけ、考えていました」は、平凡ではあるが、なんとも思いの深さを感じるものだ。

 今村騎手は、しかし、この年は、その1勝だけ。

 翌99年も1勝。

 2000年〜2007年までは、コンスタントに3〜6勝をあげており、2008年4月6日現在、通算34勝となっている。

 ●19日(日)、阪神競馬。

 南井騎手武幸四郎騎手が、障害レースを除く、全平地11レースに騎乗した。

 1日に2人が平地全レースに騎乗するのは、初めてのことだった。

 南井騎手は、前日土曜日にも11鞍に騎乗しており、2日間で22レースに参戦。

 こちらは、最多タイ記録となった。

 豪腕で知られた南井騎手は、体力もすごかったのだ。

 ちなみに、南井騎手、19日終了時点で1497勝。

 翌週には、史上6人目・現役3人目の通算1500勝という記録がかかった。

 しかしながら、残り3勝をあげるまで、4週間もかかってしまった。

 1ヵ月後の5月17日、東京10R「緑風S」でゴーイングスズカにより、それは達成された。

 豪腕で知られた南井騎手だが、心は強くなかったのだ。

 ●19日(日)で、第3回中山開催を終えた。

 この中山開催の総売り上げは、1719億7125万3400円。

 前年比97・1%であった。この年の、1回中山が前年比90・3%→1回東京が同93・2%→2回中山が同86・2%だから、関東圏では4開催連続ダウンという結果になってしまった。

 当時では、例のないケースとなったのである。

 年間売り上げの推移を見ると、日本中央競馬会設立(1954年)の翌年から、95年の98・9%以外は、常に前年比100%以上であった。

 そして、この年98年を境に、以降はずっと減り続けている。

 この現象を、「関東馬の不振が売り上げに影響している」と指摘した記者もいたが、果たしてどうだろうか。

 単純に、日本経済の不景気が大きいのではないのだろうか。

 ●さて、19日(日)のメーンイベントは「第58回皐月賞」。

 1番人気スペシャルウイーク(武豊)、2番人気セイウンスカイ(横山典弘)、3番人気キングヘイロー(福永祐一)。

 11番人気コウエイテンカイチの逃げで進み、勝ったのは、2番手追走のセイウンスカイ。

 2着に、それらを見ながら3〜4番手だったキングヘイロー。

 馬連は、1710円でした。

 

 カーカーカー

 さて、この皐月賞、当時39歳の丹下の◎○▲は何だったのでしょう。

 そして、的中させたのでしょうか。

 その答えは、丹下が次回のブログでご報告いたします。

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