9月の花(その1)
早春の3月や初夏の7月の北海道なら、毎年の恒例行事みたいなもんだが、9月の北海道を訪れるのは、これが二度め。
「丹下サンって、牧場に行ったことがないの?。なら、9月のツアーに行きましょうよ」と、声をかけられ、ノコノコ社台グループのツアーにくっついて行ったのは、確か20年近く前だったような気がするが、あの頃は、ただゝ馬に夢中で、9月の北海道は、あちこち花だらけということに、まるで気がつかなかった。
道端を縁取る、あのリンドウのような青い花は何だろう。背の高い黄色い花は、まさか背高泡立ち草じゃないよね?
まだワタシが10歳に満たないころ、山陰線の蒸気機関車に揺られ、廻り灯篭の絵のような景色の中に、駅近くになると必ずといっていいほど、可憐というよりは雑草に似た、黄色い背の高い黄色い花が咲いていた。
「あれは背高泡立ち草というのよ。アメリカからの外来種で、輸入穀物と一緒に貨物にまで紛れ込み、線路沿いに蔓延るようになったみたいね」と、母が指さすシーンが、ふと蘇る。
姉妹ではなく、ワタシ一人を連れて、母の姉の住む小倉への、行き帰りのワンシーンだったが、あの頃の母に、さて何があったのだろう。
夜遅く、低く小さな声で、母と母の姉が何かを語り合い、母のすすり泣く声を、おぼろに覚えている。
遠い昔の話だ。
丹下家は、どこの家庭にもある揉め事も、少しはあったけれど、普通以上に穏やかな家だったように思う。
なんて、キャロットツアーはバス9台の大所帯。ちょうど昔の、9月の社台グループのツアーと、ほぼ同じ台数だったように思うが、社台本体と同じように、これからさらに伸びていくクラブになるんだろうなぁ。
ふとお客さんの顔を見ると、20年近く前の、ワタシの顔がアチコチにいる。 ただ、キャロットでは、あまり見知った顔もなくて、ワタシから見ればヤングたちに囲まれ、正直ドキドキもんだったんですけどね(笑)。
ま、馬を見る段になれば、そこは単なる馬好き。時間を経るごとに、少しづつバスの中でもリラックスできるようになったが、今も昔も、社台もキャロットもPOG取材も、牧場で馬を前にすると、いつもスタンスは同じ。馬を見ていれば、それだけで妄想が膨らみ、いやぁ〜。楽しいねぇ〜。
夜のパーティーで壇上に。二次会は、会員サンたちと、すすきのの居酒屋。
体調90%ゆえ、サービスが足りなかったかなぁ。ソロリと会場を回って、もっとアレコレ話たかったけれど、ゴメンね。
社交辞令じゃなく、競馬場で会ったら、声をかけてください。楽しくビールでも飲もうよ。
翌日は、明日か明後日に栗東へ移動するという、2歳馬トゥザグローリーも展示。
「どのくらい行けますかね?」と、語りかけてきた会員サンがいたが、
「ごくごく普通に、かなりのところに行くと思う」としか言えなかった。
そうあるだろうなとは思ってもいても、GⅠ云々までを語るのは僭越でもあるし、その一言が思わぬ波紋を広げかねない。
ここはジッと我慢。新馬戦もそうだが、それに至るまでのアレコレを、静かに見守るしかない。
さっきまでいた調教担当のYクンの姿が、いつの間にか消えていた。
彼も同じ気持ちだったのかもしれないが、逃げ脚早!(笑)。
そうそう。ディープインパクトの仔も数頭いたが、
「ウチで一番調教の進んでる組に、ディープの仔が二頭いるんですけどね。やっぱディープの仔は、背中とアクションが違いますね。やっぱり、跳びますよ」と、ボソリと言っていたが、ところでディープに乗ったことあんの?(笑)
なんて、ワタシが代わってディープ産駒に乗り、その違いを説明してやろうかと思ったくらいだが、そこは武クンにでも任せることにするか。
伝え聞く妄想も多分に入っているだしょうが、ディープの仔は、感触的には、少なくともタキオン以上のような気がする(だいたい繁殖がベラボー)。
ただ、一年目の2歳は、なんとなくバラバラなんだよなぁ。当歳は、「これぞディープ」という体型の仔が、ワラワラ集合しているんだけれど。
そう、ディープの背中云々を語った、前記Kクン。
産駒説明のとき、
「このディープイン○テンツの仔は」と言っていたように聞こえたが、いよっ。場外ホームラン(笑)。
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