「疑惑流行の年か?の巻」
なにも、丹下が渋谷エクウスでの
「ハーツクライを応援しよう」
のイベント前に、ビールを何杯飲んでいたかを疑っているのではない。
また、その会場で「丹下!」と大向こうから声をかけた若者がサクラだったかどうかを疑っているのでもない。
そんなことは、世界から見れば、蚊の涙にも及ばぬ小さなことなのである。
このところ、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチで勝った亀田興毅選手に、疑惑の判定との批判がかまびすしい。
春に行われたWBC(ワールドベースボールクラシック)では、日本対米国戦でタッチアップの判定が二転する疑惑があった。
言うまでもなく、サッカーW杯では、ジダンの頭突きのときイタリアのマテラッツィ選手が暴言を吐いたのかどうかという疑惑もあった。
今、世界は「疑惑」が大流行である。
わたしの予想では、この秋にも世界的な疑惑が発生し、年末の清水寺に於ける「今年の漢字」は、「疑」ということになるだろう。
この世界の潮流に、わが競馬は乗っているのだろうか。
なんて、大げさなことを言うようだが、3着に敗れたハーツクライ。
この「Kジョージ6世&QエリザベスDS」は、早くも史上に残る名勝負だと評価されている。
にもかかわらず、勝ったハリケーンランのスミヨン騎手は、直線でのムチ多用で、6日間の騎乗停止処分になった。
ヨーロッパではムチの連続使用は6回まで、というルールがある。
2着エレクトロキューショニストのデットーリ騎手は、ムチの多用なのか、直線で外に寄れたことなのか
(それによって、内が開き、ハリケーンランが伸びてきたという見方もある)、
どちらかは分からないが、戒告処分を受けている。
名勝負が霞んで見えてくるではないか。
フェアな競馬をしたのは、ハーツクライのルメール騎手なのだ。
本当に、採決にホームタウンデシジョンはなかったのか。
疑惑とまではいかずとも、疑惑がないとも断言できない。
レース前、ルメール騎手が仲間外れにされているシーンが画面に映された。
もしかしたら、
「ハーツクライには勝たせるな」
とのヒソヒソ話だったのかもしれないし。
丹下はイベント終了時に、こう言って締めくくった。
「みなさん、ディープインパクトは弱い弱い、とアピールしましょう。そうしないと、向こうの騎手に邪魔されるかもしれないからね」
カーカーカー。
丹下にしては、何とも、リアリティのある言葉ではないか。