グリーン・ウオッチング Vol・21
時計も大事だが、着差もなかなか雄弁
昨年の宝塚月間は、阪神競馬場の改修工事のため、京都開催は年明けから4回目。
梅雨が重なったこともあるが、さすがに馬場の消耗が激しく、通常の開催より1秒以上時計のかかる芝コンディションだったように思う。
ところが、先週より始まった阪神は、芝のマイルと1800mで、合計三つのレコードが続出。
3歳未勝利戦で、1800m・1分45秒5という好記録も出ている。
オッティマルーチェの2200mの走破タイムは2分13秒8。
広々とした2200mにコースが変わったのが功を奏したのか。
坂路では3F・40秒を切れないこともあるズブい馬が、ブリンカーをハズしたことで、いつになく調教でも動いていたし、惑星としての下地はあったように思う。
2分13秒8は、例年ならば古馬1000万条件に匹敵するが、今年は馬場差1秒は割り引いて考えなくてはいけないが、ただ、2着馬とはクビ差の叩き合いだったものの、3着以下とは3馬身余。
予想を打つときに競馬週刊誌のレース写真を参考にすることがあるが、3馬身というのは見た目においても決定的な差。
上がり云々は別にして、このメンバーと再び対決すれば、二度と負けないことを、写真は物語っている。
なんて、以前このコラムで、オッティマルーチェはダートに比重の高いフサイチペガサス産駒云々を述べたことがありましたが、初勝利は芝。うーん。大した予想家じゃないかもしれない(笑)。
ちなみに、年によっては当然馬場差もあるだろうが、昨年のディープインパクトの宝塚記念は2分13秒0(発表はやや重だったが、限りなく重馬場に近い)。
2000年のテイエムオペラオーの宝塚記念は2分13秒8だったが、アドマイヤムーンにウオッカ。ダイワメジャーにメイショウサムソン。カワカミプリンセスやポップロックの集う今年の宝塚。
絶好の芝コンディションの後押しを受け、平成7年にダンツフレームが叩き出した、2分10秒2というレースレコードを更新する可能性も出てきた。
福島の芝も、先週のバーデンバーデンCは、テンの3Fが11秒7−9秒9−10秒2。3F・31秒8という数字は、前半のラップだけなら日本記録かもしれない、高速馬場だったが、雨が降って二週目に替われば、さすがに開幕週のような殺人的なラップにはならないだろうし、適度に荒れた良馬場の芝を好むピエネヴェーレも、たぶんもう順番(一年経って、なんだかんだで835万円は稼いだんですね)。
ロージーワールドは、昨年のバレッツで2F・22秒台をマークした馬(調教セールの時計で言えば、能力は1000万級)。
海外調教セール出身馬は、ときに輸送等々で摩耗することもあるが、一度は馬体を作ったし、調教時計を出し始めれば追い切りの本数以上に仕上がりも早い。経験馬相手でも、おもしろい。