グリーンウオッチング Vol・28
「おお」というシーンを
今年の牝馬クラシックは、まず第一弾の桜花賞が、ダイワスカーレットとウオッカによるマッチレース。
後続に3馬身余の決定的な差がついたが、その両馬が不在のオークスは、ローブデコルテによる、2分25秒3のレースレコードだった。
しかし、翌週のダービーの、ウオッカの走破タイムは2分24秒5.ダービー史上最速の、上がり33秒0で牡馬を封じ込めている。
「もし桜の二強が普通にオークスにゲートインしていたら、デコルテたちの3馬身先を走っていたかもしれない」と記したことがあったが、オークスとダービーの0秒8差は、まさに桜花賞の差そのまま。
今秋の、ローズSとベラレイア他、夏の上がり馬との対戦をみると、やはり二強の力量は相当だ。
ダービーで、ウオッカに次ぐ、上がり33秒1をマークしたドリームジャーニーの神戸新聞杯も、ダービーに起因。
ウオッカの牙城は相当高い。
クイーンスプマンテにとっては、キツい秋華賞となりそうだが、この中間は、7日の美浦坂路が49秒8—36秒6−12秒1.
直前は上がり重点ながらも、52秒8—38秒0—11秒9と、紫苑Sとは違い、ほぼピークの状態に造ってきた。
史上最高と言われる本年のGⅠ・秋華賞で、道中のどこでもいいから、
「おお」と見せ場を作って掲示板に乗るようなら、例えば来年の府中牝馬Sであったり、きっと後々に繋がるような気がする。
日曜日は、秋華賞前にユーチャリスの半弟マイハートマイラブが、京都の芝1800mデビュー。
坂路時計は若干上がりを要しているものの、松田国流のタフな二本追い。
字面の数字以上に鍛えこまれているし、兄よりひと回りスケールが大きい。
母系にタップリと米国血統が連なるパワータイプだけに、芝はどうかの懸念もあるが、初陣のここで結果を出すようなら、いろんな意味で視界は良好。
東京土曜日最終のポンテペルレは、今度は昇級。
しかし、新潟の1分20秒7は、掛け値なしの1000万レベル。
前走勝ちのご褒美の意味で、馬体を緩めさえしなければ(?)、即通用してもいいのだが…。