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グリーンウオッチング Vol・34

 身体が軽い

 スポーツ紙や競馬専門紙に、発表された馬体重を赤ペンで記入するのは、昔から行われてきた、しごく普通の競馬場の風景だと思う。

 ワタシだって、マスコミ用にと配信される、次のレースの馬体重の増減表を、ほぼ毎レースごとに覗き込むし、赤のサインペンで+2だか−6だのと書き込むほうが、ひょっとしたら馬券が当たるのではないかと(気が小さい)、何だか馬券に不義理をしているような心持ちになり、急にプラス・マイナスのアレコレを書きなぐったりすることがある。

 しかし、馬体重の増減というか。理想とする体重のあり方というのは、なんなんだろう。

 サラブレッドとして、骨格や血統における(父や母の体格)、固体的な理想体重というのは、当然あるに違いない。

 ただ、競馬を始めたばかりの人が、よく口にする言葉に、

 「体重が増えた、減った。マイナス6㌔やプラス12㌔がどうのという表示があるけど、それって大事なことなんですか?」

 なんて会話を耳にしたこともあるが、手っ取り早く、勝つか負けるか。「馬券」において、1・2着時の連対体重というのは、一つの体重の目安なのかもしれない。

 しかし、2歳夏の函館で450㌔で勝った馬は、普通に考えれば、一年や二年経てば、よほど新馬戦のときが重め残りでもない限り、20㌔くらい増えて、470㌔前後で勝ち負けするハズだ。

 さすがに5歳半ばにまでなると、馬体重も落ち着くハズだし、そこでのプラス・マイナス・6〜10㌔の増減は、当然何らかの調整ミスやアクシデントがあったと考えられる。

 前にも書いたことがあったかもしれないが、競走馬というのは、人間のアスリートと同じ。

 日本ハムにこのたび入った中田クンが、

 「動けるデブを目指す」とかなんとか言っていましたが、プロ野球もオープン戦に入り、タプタプとした100㌔超の身体も、今では90㌔台半ば。

 清原も桑田も、レドソックスの松坂もカート・シリングも、ヤンキースのジーターもA・ロッドも、「パワーを損なわないで一番動き安い」、理想とするアスリートの身体を自分で理解しているように思う。

 なんて、この馬体重の変動が、一番気掛かりなのは休み明け。

 明け3歳馬や、キャリアの浅い、完成途上の4歳ならば、3ヶ月をこえるような久々の場合は、10㌔以上増えても当たり前。中央場所から輸送のない函館や札幌の現地競馬なら、むしろ減るのがおかしい(現地競馬はプラス10㌔。輸送があればマイナス10㌔でいい)。

 逆に、現地競馬で勝ち負けしていた馬が、中央場所の輸送競馬で30㌔近く馬体を消耗し、休養後に30㌔プラスとなった場合は、馬体が戻ったとみていいのかもしれない。

 若駒で、しかも半年以上のブランクがあるケースは、骨格や血統に見合いさえすれば、10㌔どころか。20㌔や30㌔増えてもいいと思うときもある(長期休養明けの素質馬の場合、五分五分で馬券でも買い?)。

 特にダート馬の強豪は、知らず知らずのうちに、デビュー当初より30㌔mも増えてOP馬になった——なんてケースを、度々目にするが、けっこう競争歴の長い4歳以上の芝馬は、よきにつけあしにつけ(要は基本的は能力)、ある程度アスリートとして馬体が完成しているぶん、わずか4㌔でもプラス・マイナスが微妙だ。

 その場合の休み明けは、たった2㌔であれ、マイナス体重の場合は、仕上げが微妙に狂った(本来あるべき筋肉量が足りない)のではないかと、個人的には疑っているし、周りの人に言わせると、狙っていた馬が久々でマイナス体重だと、いつもかなり苦い顔をしているみたい(笑)。

 先週のジャドールは、プラス20㌔。敗因は単に「息切れ」の線が濃厚だ。

 しかし、脚元さえ順調なら、本来はOPも張れるダート馬。二番手追走からの失速は、中田クンじゃないが、「絞りきれず、腰が回らなかった」くらいで、20㌔増は、たぶん大丈夫だと思うよ…。

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