丹下倶楽部

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「初めて知った、の巻」

 プラナリア(渦虫)という小さな下等水中動物に条件付け訓練によって電気ショックの方を避け、餌のある方に行かせるようにする。そう訓練したプラナリアを、今度は未訓練の別のプラナリアに食べさせたところ食べた未教育のプラナリアもちゃんと電気を避けて餌に向かった、というのである。(『流れとよどみ』大森荘蔵)

 こんなこと、初めて知った。1960年代に起こった『プラナリアの記憶物質論争』のことで、この実験は追試しても確認されなかったそうだが、大森さんは「もしそういうことがあるならば人の爪の垢を煎じて飲んで利口になるといったことも不可能ではあるまい」と続けている。

 そこで、ふと思い浮かんだのが、「似たもの夫婦」であり、「モリケイ」であり、「ウインドインハーヘア(ディープインパクトの母)」である。

 結婚してしばらくすると、顔が似てくる夫婦がいるが、何でそうなるのか不思議だった。もしかしたら、その「記憶物質」とやらが、たとえば性交によって妻にガツンと注入され、だんだん似てくるのかも知れない。

 モリケイは、1977年デビューで8戦した後の翌78年、厩舎内で仔馬を産んだ。つまり、それまで身重でありながら3勝をあげてきたわけだ。ウインドインハーヘアも、1991年欧州の年度代表馬になったアラジとの仔(初仔)を受胎中でありながら独GIを勝っている。やはり、牡馬から注入されたある物質が彼女たちに何かしらの影響を与えたと考えてもいいだろう。

 ……せっかく、ウインドインハーヘアに登場していただいたのだし、記憶物質説も実は、現代科学では否定的であり、研究者に訊いても、どうせ、「The answer,my friend,is blowing in the wind」と応えるだけだろうから、ここで、ボブ・デュランの「風に吹かれて」をお聞きいただきましょう。

  http://www.youtube.com/watch?v=uoa_fdE7Llk

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 しかし、完全に否定されたわけではないのだから、あり得そうではある。GI馬の母は、種牡馬の記憶物質を蓄積する、という仮説が成り立たないか。つまり、モリケイやウインドインハーヘアがそうであったように、牝馬は種牡馬とイッパツやることで強くなっていくのではないか。

 そうであれば、強くなった母から生まれた仔も強い。たとえば、ウオッカは4番仔である。母・タニノシスターは1番仔(父・ラムタラ)で地方2勝。2番仔(父・ブライアンズタイム)で地方7勝。3番仔(父・フレンチデピュティ)になって中央で1勝。そして、4番仔がウオッカ。一歩ずつ、競走成績が上がっているのが分かる。1番仔を産む時点でのタニノシスターと、4番仔を産む時点でのタニノシスターは、まったく異なる馬なのではないだろうか。これは、馬券に使えるかもしれない。

 昨年09年のGI馬22頭だけであるが、それが何番仔であるか調べると、こんな結果になった。2、5番仔が2頭。4、6番仔が3頭。3番仔が4頭。7番仔以上は、1頭だけ(13番仔のアンライバルド)。そして、残りの7頭が初年度産駒だった。つまり、1番仔がもっとも強かったのである。まったく逆の結果が出ちゃった。あ〜あ、時間、損した。

 そういえば、丹下夫婦は、まったく似てないしなぁ。

 トルストイ先生によれば、「幸福な家庭の顔はお互い似通っているが、不幸な家庭の顔はどれもこれも違っている」なんだってさ。

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