9月1日に思うこと
小沢サンと管サンの記者会見を観ている。
主義主張は、わかりました。
でもね。民主党の党首選挙のシステムは、無投票だけに、派閥が正確には動かないだろう(見るからに、そのうち割れそうな派閥が三つもある)。
しかも、国会議員以外の民主党サポーターとか言われる人も、投票に影響を与える。
そうすると、この二週間の世論に左右されるケースも出てくると、テレビはガナリたて、新聞は書きたてるが、ところで世論ってなんだ。
ワタシたちは、選挙と言う権利を、半分近くしか行使しない日本人である。
第二次世界大戦時の世論——および周辺のマスコミ記事は、どうだったか。
世論って、なんだ。
子育て支援や高速道路や経済政策やマニフェスト云々を、マスコミは喧伝しているが、小沢サンの根底には、国連主義——つまり日本を世界の独立した国として、枠組を再構築することにある。
平和が当たり前と思っているワタシたちだが、どこかから日本にミサイルが飛んできても、その国に即、友好国のアメリカが、安保があるからといって、日本の代わりに、お返しのミサイルをぶっ放すことは、まず、絶対にない。
アメリカのみならず、他国のために、そんなお目出度い努力をする国は、まず存在しないし、日本が戦争にでも巻決まれてアタフタすれば、しめしめ。そのぶんを分捕ってやろうと考えるのが、基本的に国というものだ。
国連だって、ロシアやフランスやイギリスや中国のうち、どこか一国でも拒否権を発動すれば、その間に国は壊滅的な打撃を受ける。
そうならないためには、どうするか。
軍隊や原爆をもてというのではない。
戦争をしないためには、まず日本という国への意識付けと、外交と経済力しかない。
そのためには、アメリカ一辺倒ではいけない。押しも押される大国となった中国は、もはや無視できないし、中国との国交親密化は、小沢サンにとっては、日中の国交回復を電撃的に成し遂げた、師匠である田中角栄時代からの宿題だった(そのために、ロッキード事件で角栄は葬り去られたが)。
自衛隊は、そのためには日米安保一辺倒ではなく、国連の傘下に入る。
もしかしたら、沖縄の基地問題は、日米合意が無理なら、時間をかけて白紙に戻してもいいとまで思っているかもしれない。
管サンは、自民党時代そのままの、アメリカとの関係を保とうという。日米関係は、他のどこよりも強力だし、これからもそうありたいと思うのも、間違ってはいない。
自民党も一部経済界も官僚も、そしてワタシたちも、現状維持が楽だから黙って見ている。
円高や株価低落のこの時期に、二週間も何をやっているんだというが、ねじれ国会が続く限り、どっちが勝っても、次の参院選挙まで最低3年。参議院のメンツが入れ替わる6年間は(半数改選では、一回で大きくは動かない)、政治の流れは一緒だ。安定した政策なんて、どう転んでも打てない。
ねじれ国会にしたのは、実はワタシたち国民の世論だった。
政治をスムーズにするには、結局は民主党が分裂し、総選挙で再編成しかない。
「小沢サンは、たぶん日本人のだれもが思い浮かべるだろう、悪党面だ。総理大臣になれるか否かは、最後は顔かもしれない」という、20年前の週刊ポストの記事を、ふと思い出してしまった。
それも世論?案外と正解だったりして。
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