グリーン・ウオッチング Vol・32
たくさんの、おめでとうを
「07年は、その前の年の倍近い、24勝を挙げてたんですよ」と、嬉しそうにグリーン愛馬会の事務所の人が語っていましたが、年明け早々、スカーレットラインが後続を10馬身とチギる派手な大差勝ち。
あけましても、おめでとうございます(笑)。
しかも、1分56秒1は、年末年始の乾燥した馬場を考えれば、かなり優秀。
着差を考えれば、更に内容は濃し。
「直線入口で膨らんだりしなければ、もっと時計も詰まったし着差も開いたのに」と思ったりするのは欲張りか(笑)。
父はバトルラインでも、走るとスカーレットインク一族といった感じで、マイルから1800mまで距離にも融通が利く。
走破タイムを考えれば、東京のマイルでも中山でも、早い時期に2勝が期待できそうですね。
使い減りも少ない馬ですし、2勝を挙げれば春シーズンの終わり頃には、ユニコーンSが待っている?
過去二戦の芝の上がり・34秒5・34秒7をみると、平坦コースなら芝もOK。
夏の新潟で、ひと暴れできそうな気がしますが、つくづく血統というか。社台グループの根幹の一つでもある、スカーレットインク一族の幹の大きさを考えさせられます…。
なんて、親元である社台グループの生産馬は、使い勝手のいい牝馬は別として、明け3歳の牡馬陣は、意外にデビューに手間取っている(いわゆる”大物”と噂される血統馬の使い出しが年明けにズレ込んでいる)。
その影響が、混沌が予想される本年のクラシックの一因にもなっているのだが、同牧場出身の年内デビュー馬たちを見ていると、冒頭のスカーレットラインを含め、おおもね馬体重は500キロを切っていることに気が付く。
ワタシが競馬の世界に携わった20数年前は、500キロを超える馬はまだ少数。
牡馬は450〜470キロ。牝馬は430前後と、現在より20キロ近く軽かったが、飼い葉飼料やサプリメントが充実した今となっても、やはり500キロというのは、脚元に不安が出るかどうか。一つの目安に思えて仕方ありません(あのオグリキャップも、500キロを超えたときから、怪物性に翳りがみえてきた)。
前にも話したことがあったかと思いますが、昨春ノーザンFを訪ねた時、秋田場長が、
「一昨年あたりだったかな。気が付くとノーザンFの生産馬の平均体重は、世界で一番大きくなった。世界一の巨漢馬たちが出来上がったその時から、競走成績のバランスが少し悪くなった。それを反省材料に、馬の作り方を変えてみたんですよね」と、語ったのを、ふと思い出したが、馬造りのサジ加減は、本当に難しい…。
なんて、単純なことだが、これまで400キロソコソコの小さい馬が続いた血統でも、450キロ以上にジャンプアップすれば、一つの「当たり」が隠されている(大きすぎるとババか)。
良血であれば、やや先細りした感じの老齢の繁殖牝馬でも、平均的に大きな仔を送り出しているケースでは、年齢は関係ないのかもしれないなぁ…。
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