「馬の耳は金の耳の巻」
宝塚記念。
ディープインパクトが勝ったのには物言いはつけない。
リンカーンがあんなに負けたのは、ガックリきた。
マッチレースとは行かないが、きっちりと実績馬らしく、3着には差をつけて連対してもらいたかった。
3連単を外した愚痴ですが。
その日、グリーンchの「A1ニュースステージ」の仕事でスタジオに行く。
ゲストは元ジョッキーの谷中公一さん。
レース後、美浦から駆けつけてくれた。
「稍重とはいえ、騎手服があれだけ汚れているのは重か不良に近い馬場。それをあんなに後方から攻めたディープは本当に強い」
「ユタカの騎乗姿勢もいつもより高いのは、道悪用の乗り方」
「リンカーンに乗った横山典弘は、返し馬からヤバいという感じを受けただろう。馬の首が高かったから、道悪は下手なはずだ」
などと解説してくれた。
その打ち合わせのとき、VTRの担当者が直線でのディープのアップを流した。
谷中さんが、
「あ、ちょっともう1回流して」
と言った。
「ユタカがゴールのずいぶん前でガッツポーズをしてるでしょ? その前までは耳を絞っているのに、そこから2〜3完歩後に、立てたよね」
スタッフは何回も見て、それを確認した。
谷中さんの説明によると、馬が一生懸命に集中して走っているときは耳を後ろに倒すように絞っている。
それから解き放たれると、耳を立ててリラックスモードになる。
つまり、ディープはゴール前30mくらいは「流していただけ」ということだ。
直線に入ってから、ユタカは何回かムチで叩き、見せムチもした。
馬は、ムチを使うリズムを感じている。
ガッツポーズから2〜3完歩目は、そのリズムでいくと、叩かれるか見せられるところ。
それがなかったので、リラックスしたのだそうだ。
なるほど。
だから、
「馬が真剣に走っていない」
なんてコメントがある場合は、耳が立っている馬に多い。
逆に言えば、
「耳を立てたまま好走する馬が集中するようになったら、さらに強くなる」
ということだ。
だから、この時期の新馬戦は、耳に注目するとおもしろい。
土曜日の未勝利か500万に、そんな馬がいたそうだ。
これは、馬券作戦に使えます。
そういう話は、ふだんから馬に接している人だけに、おもしろかった。
ちなみに、丹下はいつも耳を立てているようです。
真面目に生きなさい!
カーカーカー。
実は、わたしも耳を立てっぱなしのユルユル人生です。
反省。