グリーン・ウオッチングVol 2
前回号で述べたピエネヴェーレが、いよいよの新馬戦ですか。
土曜日の新聞を刷り終わって、ひと息つき、グリーンチャンネルのパドックを見させてもらいましたが、耳を立て気味で周囲を見渡し、少しピリピリした感じのある馬に映りましたが、目一杯に調教で攻めると、テンションが上がる可能性を見越して、直前の追い切りは単走で南W・69秒1—40秒7—12秒7を馬なり。
そこら辺りのサジ加減、小笠サン。なかなかじゃないですか(笑)。
他の有力どころは、シャトルルージュはパドックで頭を上げ加減。
ひょっとしたら、出遅れるかもしれないなと思っていましたが、中舘クンは、中間の調教に跨っていたこともあって、「クセ」みたいなものをつかんでいたんでしょう。
気負いを逆手にとって、好スタートでポンと1馬身のリード。
大外枠のワルキューレも、パドックでは前肢を気にする素振りを見せていましたが、返し馬ではバネのある走りで脚元がほぐれた。
4コーナーでは、手ごたえよく絶好の好位の内ポケットをピュッと回ってきただけに、一瞬突き抜けてくるかなとも思いましたが、うーん。もったいないね……。
もう少しスタートがよかったら。軽い良馬場だったら、スピードに乗り切れも違ったのか。
一度使ったことで、テンションが上がりすぎることもあるし、予想を打つ立場としては、まだ慎重に構えなければいけないところもあるんですが、一応のラインには到達したように思います。
ちなみに、調教のアレコレですが、毎週水曜日。
会社に行くと、南Wが今の時期なら10枚前後。
坂路が6枚、北C・南Dが4〜5枚。
函館のWとダート。栗東からは、CW・DW・E・Bコースにゲート。そして坂路と、美浦ぶんと同量の、合わせて50枚前後の調教データが、ファックスで送られてきます。
その内容は、時間順に、ジョッキーが跨ればその名前が。コースどころ、脚色。追走か先行か。遅れは?併せ馬の内容は?
そうしたものが、ズラズラと書き並べてあるのですが、毎週水曜日に、その模様を眺めるのが実は一番の楽しみなんだよね。
ま、会社に入った当初は(二十年前)、主に大井などの南関東の馬柱の製作。
中央に移ってからも、主に馬柱の制作に携わっていたため、調教データと実際の追い切りがピタリと符号するのに十年くらいかかりましたが
(実はあまり器用なタイプではありません)、
転機となったのは、フロリダの調教セールに行くようになってからかなぁ。
確か、スピードワールドの翌年からだったか。
その後、三年間連続してコールダーセールにいって、ようやくピンと来るようになったし、今はグリーンチャンネルの調教の映像が流れることもあって、数字をイメージに置き換えやすくなりました。 それでも、実際に馬を見る人には勝てない。
そのために、ひと足早く、産地馬体検査やセレクトセール。クラブの牧場ツアーに立ち会ったりして、中央入りする1500頭くらいは、デビュー前に見なくちゃと、自分自身に義務付けているんですが、ジジイなんで、最近はすぐ馬を忘れる(笑)。
なんて、POGのアレコレは、競馬新聞の予想から派生した
(下手かもしれないけれど、一応、本紙が本業だし)、
おまけみたいなものですが、競馬の基本は、まず最初に血統ありき。
次は血統に則した馬体かどうか。
血統と馬体と符合する調教をこなせるかどうか。 古いタイプなんで、いつもこの三つの堂々巡りで競馬を見ています。
なんて、できれば新馬は、実物をパドックで見るように心がけてはいるんですけど、何かの仕事でも請けない限り、土曜日は新聞制作に立ち会うため
(井崎サンも、できるだけ金土の午前中は仕事を請けない)、
新馬に立ち会うのは日曜日だけになってしまう。
でも、いつかパドックで、みなさんと顔を合わせることがあるかもしれませんね。
その時は、気軽に声をかけてください。
なお、当コラムの更新は、二〜三週くらいということで、よろしくお願いします。