「またしてもマイナス材料」
注目のディープ薬物騒動の裁定が昨日フランスギャロより発表された。
予想通り失格となり、池江郎調教師には罰金を科せられた。
ここで事件の経過をまとめてみたい。
本当にあっているのか微妙なのだが、とりあえず発表されたものをまとめてみる。
9月13日 ディープがせきをし始める。
その後(日にちは不明) 日本人獣医が、フランス人獣医の処方を受けてイプラトロピウムを購入。
9月21〜25日 イプラトロピウムを使用。
25日をもって使用は終了。
レースまで中5日あれば薬物が体内に残らないため、凱旋門賞から逆算して、この日まで使った。
しかし、吸入器が2度にわたってはずれたため、薬物が飛び散り、周囲の干草に付着。
ディープはこれを口にしてしまう。
10月1日 体内に薬物が残ったまま、レースに出走。
以降は発覚、調査、そして昨日の発表となったようだ。
それにしても驚くべきは、世界最高峰のレースに、歴史的名馬を出すというのに、前述したような流れを、池江郎調教師が把握していなかったことである。
なぜ、厩舎スタッフは知らせていなかったのか。
それとも、ディープがせきをしたことや、禁止薬物をレースに影響がないときに使うことは、別にたいしたことではないのだろうか?
しかも、池江郎調教師はイプラトロピウム自体、禁止薬物とは知らなかったらしい。
海外に何度か遠征している池江郎調教師が、ヨーロッパの薬物事情を知らないとは信じがたい話である。
さて、ディープ失格の発表は昨晩のいろんなニュースで採り上げられたが、キャスターの反応はというと、やはり「お粗末」とかいうよりも「本当なのか?」といった疑惑的な見方ばかりであった。
薬物使用が発覚してから、紳士協定を守るために口を閉ざし、やっと発表となったら、やれ馬が暴れて薬が撒き散らされたとか、調教師が知らなかったとか、どうにも納得いかないことばかり。
残念ながら世間は、何か隠しているという印象を持ってしまったのではないか。
そんな方向へ持っていったのはテレビなのだが、こんな顛末では、そのような流れに持っていかれても仕方ないか。
私の周りにいる競馬関係者で、池江郎厩舎スタッフを知る者は、誰もが彼らが不正をするはずがないと、最初から信じていた。
いつも一緒にいる方々が声をそろえて言うのだから、今回の件は、不注意と運の悪さ、そして事件への対処のまずさが重なったということなのだろう。
それにしてもマイナス材料が、そろいすぎた。
メルボルンでの活躍よりも、カワカミプリンセスの降着や、ディープ薬物騒動のほうがはるかに大きく採り上げられる競馬の現状。
競馬には逆風が吹いている。
そういえばカワカミプリンセスが降着になった瞬間、場内から驚きの声が上がった。
1番人気だけに、騒ぐファンが出てくると思われたが、全体的には仕方がないという雰囲気であった。
昔ならば、結構騒ぐファンがいたものだが。
ファンが大人になったのか、競馬に対する熱が冷めているのか?
来週のジャパンC。
私はレース以上に、ファンの反応のほうに興味がある。