丹下倶楽部

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正義と向上心

 大学受験を終え、春休み中の子フグ1号が、何を思ったか。茶の間に布団を引っ張りだし、昼過ぎまでスピスピと鼻ちょうちんを膨らませて寝ころんでいる。

 ちっちゃい人間が4人の狭い我が家ながら、ゴロゴロされると、やっぱり邪魔。鼻をつまんだり、わざと寝ころんでいる上にドスンと腰をおろしたりして起床を促すのだが、子フグ1号は、やたら寝起きが悪く、キーキーキャーキャー、すんごく凶暴なんですよね。

 でも、中学生サイズにしか見えないお猿さんが、キーキー騒ぐと、逆にカマいたくなる。

 頭をグリングリンしてみたり、顔を覗き込んで「かわいい」なんて、ついちょっかいかけたりすると、エラい勢いで飛び起き、猛烈に反撃。

 そんでもって、いつかしら寺内貫太郎一家状態になり、「二人とも止めなさい」と、親フグの怒鳴り声に発展する毎日ですが(笑)、我が娘ゆえに、この気性の荒さは致し方ないとはいえ、親に口答えばっかりするガキは、ワタシの子供時分は少なかったよなぁ。

 クラスに二〜三人の、たまの例外もあっただろうが、特に女の子ならば、なおさら。親や他人の前では、不承不承でも「はい」と、その場は言うことを聞いたもんです。

 ただし、行きすぎはよくない。

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 小学校2年生のとき、ワタシが班長で、隣りの副班長は、色白の肌と対照的に、黒髪もえ、お目々はパッチリ。

 鼻すじ通り、馬体もややいかり肩で大きめの造り(栗岩太郎にソックリの、黒ぶち眼鏡をかけた太っちょの友人の観察によると、小学校高学年で、オッパイが大きくなるのは二番目だったらしい)。

 それはともかく、小学校二年生の時、初めて同じ机に並んだとき、何が気に入らないのか。ワタシと口をきこうとせず、とにかく何にでも反抗してくる。

 驚いたのは、テストの点数がワタシより悪かったと、いきなり真っ赤な顔をして泣きだしたのには、たまげた。

 こんなに負けず嫌いな人がいるんだと、丹下おぼちゃまはビックリ。

 ま、ワタシが年がら年中、クラスで一番か二番目に、いい点数をとることがわかって、ある点で、こいつには負けたと観念したらしいのだが。

 そんなこんな。小中学校と、二クラスしかな田舎なのに、4年生から中学校2年生まではクラスが別。もちろん、たった60数人しかいないクラスメイトゆえ、学年で一番の美少女が健在であることは知っていた。

 その彼女と、同じクラスとなった中学2年に、改めて話をするようになったのだが、まあ、世の中を学習したんでしょう。

 美少女は美少女というだけで、特別アピールせずとも、人が勝手によってくるし、意識せずとも周りが持ち上げてくれる。内に秘めた激しい気性を前面に出さずとも、男教師は全員がデレ〜。

 バレー部の監督は、手とり足とりでⅩ攻撃と稲妻落としを教え、美術の教師は日曜日にわざわざ山口の美術館やザビエルの塔へとドライブ。日展へ出品する作品のモデルにと、裸体ヌードを申し込んだらしいが、PTAが問題視し、結局よその学校へ移動させられてしまったという噂も聞こえてきた(ウソ)。

 国語の教師は、弁論大会にと個人授業を始め、教頭は卒業式や何かの集まりでは、必ず彼女にピアノをひかせた。

 でもって、強烈なあこがれはなかったけれど、ワタクシとしても嫌いなワケじゃない。あわよくば交際してもいいと思っていたし、時には二人で、とりとめなく浜辺を歩いたりもした。

 ただ、それ以上には、なんか燃えるものがなくてね。山口県でも美少女が集まるので有名な女子高へと離れ離れになったあとは、たまに電話で話すくらい。

 ただ、何故か高校三年になったとき、彼女の方が積極的になり、秋口までつきあうことになった。

 うーん。確かに綺麗でいい子なんですが、なんかやることが人生の教科書っぽい。常に彼女のテーマは、「正義と向上心」みたいなところがあって、突撃ラッパが鳴らない。

 このままワタシが、よしんば九州大学。もしくは広島大学か山口大学の経済学部とか教職でも選択して、県庁とか市役所とか。学校の先生にでもなれば、彼女の目指すところの正義と向上心を、夫となって代わりに発揮できたのだろうが、ワタシ、ろくでなしですから。

 何が悲しくて、高校時代あまり好きじゃなかった正義と向上心の塊を謳うヤツらと(男にもいる)、それを隣で鼓舞する彼女と、再びそのテーマを標榜して子供を育て、故郷で一生顔を突き合わさなければいけないのか。

 男子諸君。志を高くもて。東京さ行って、ボロボロになってもいいから、人生の荒波にモマれようじゃないか。

 なんて、大学に入っても、やっぱりこの手のタイプは苦手だったですね。

 というワケで、美人は飽きたし、顔はある程度我慢するから、弱者に優しい、心の根の優しい人が一番(連れあいの顔を見て、ちょっと後悔?)。

 藤原紀香サンを見ると、ふと、あの彼女のことを思い出す。

 50歳になった今も、気張って生きているんだろうか…。

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